将棋界の八大タイトル戦のひとつである「叡王戦(えいおうせん)」。ネットの検索窓に「叡王戦」と入力すると、サジェストに「ひどい」という不穏なキーワードが表示され、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。伝統あるタイトル戦に対して、なぜこのような辛辣な言葉が並ぶのか、気になるところです。
実はこの「ひどい」という評価の背景には、将棋ファンを震撼させた前代未聞の超絶過酷な死闘や、一時はタイトルの存続すら危ぶまれた電撃的なスポンサー撤退劇など、波乱万丈な歴史が隠されています。単なるネガティブな悪評にとどまらない、叡王戦にまつわる激動のドラマと2026年現在の真の姿を詳しく紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「ひどい」と騒がれた最大の要因は、第5期七番勝負で起きた「持将棋・千日手連発による実質十番勝負」の極限バトルにある
- 要点2:初期主催者だったドワンゴの突然の撤退で序列低下や消滅の危機に直面し、運営体制への批判が噴出した過去がある
- 要点3:現在は不二家の参入で「スイーツとおやつの祭典」としてファンから絶大な支持を集め、最高峰のエンタメ棋戦へ進化を遂げている
【真相究明】叡王戦が「ひどい」と噂される決定的な理由とは?
ネット上で「叡王戦 ひどい」と検索される最大の理由は、運営上のトラブルと盤上の死闘という2つの異なる側面でファンの度肝を抜く出来事が重なったためです。決して棋戦自体の価値が低いという意味ではありません。
1つ目の理由は、棋士の体力と精神力を極限まで削り取った「第5期叡王戦七番勝負」の泥沼劇です。規定により引き分けとなる「持将棋」や「千日手」が相次ぎ、七番勝負のはずが異例の第9局(実質10局目)までもつれ込む事態となりました。対局時間が深夜に及ぶ過酷すぎるスケジュールに対し、ネット上では「選手が壊れてしまう」「あまりにも過酷で見ていてつらい(ひどい)」という悲鳴に近い声が殺到しました。
2つ目の理由は、棋戦創設期から支えてきたドワンゴの電撃的な主催撤退です。第5期終了直後に突然発表された撤退劇により、タイトル戦の存続危機や八大タイトル内での序列格下げが現実味を帯び、将棋界に大きな動揺が走りました。この一連のドタバタ劇が「運営対応がひどい」という印象を強く残す結果となったのです。
第5期の悪夢!永瀬対豊島「泥沼の十番勝負」と持将棋連発の壮絶ドラマ
叡王戦の歴史を語るうえで絶対に外せないのが、2020年に行われた第5期叡王戦・永瀬拓矢叡王 vs 豊島将之竜王・名人(肩書はいずれも当時)による防衛戦です。将棋界の常識を覆す異例の展開が次々と巻き起こりました。
開幕局から千日手(指し直し)が発生すると、第2局と第3局ではなんと2局連続の持将棋(引き分け)が成立。タイトル戦の番勝負で持将棋が2回も起きるのは史上初の異常事態でした。決着がつかないまま対局数だけが増え続け、最終的に決着がついたのは第9局。指し直しを含めると実質的に「泥沼の十番勝負」を戦い抜いたことになります。
特に名古屋で行われた対局では、深夜まで及ぶ激闘の末に対局室の空調トラブルも重なるなど、両対局者の消耗は限界を突破していました。ネットの反応を見ても、「名勝負を超えてもはや拷問に近い」「両者とも倒れるのではないか」とファンが息を呑んで見守る異様な空気感が漂っていました。この常軌を逸したタフネス勝負こそが、「叡王戦=過酷すぎてひどい」という強烈なインパクトを植え付けた原点です。
スポンサー「ドワンゴ撤退」の衝撃と序列低下|タイトル消滅危機の舞台裏
盤上の激闘と並行して、将棋界を大きく揺るがしたのが主催者ドワンゴの撤退騒動でした。叡王戦はもともと、ニコニコ生放送を運営するドワンゴがネット発の棋戦として立ち上げ、一般棋戦から第3期に八大タイトル戦へとスピード昇格させた華々しい経歴を持ちます。
しかし、動画配信事業の経営環境の変化などを背景に、ドワンゴは第5期をもって主催から撤退することを電撃発表しました。新設されたばかりのタイトル戦がいきなり打ち切りの危機に瀕したことで、将棋連盟とファンの間には激震が走りました。
当時、八大タイトルの序列は契約金に基づいて定められており、新たなスポンサーが見つからなければタイトル序列の最下位への転落、あるいは棋戦休止という最悪のシナリオも囁かれていました。この突然のハシゴ外しとも取れる撤退劇が、ニュースや掲示板で「いくらなんでもひどい引き際だ」と厳しく批判された背景です。
救世主・不二家の参入で評価が一変!「おやつ天国」とファンの絶賛
消滅の危機に立たされた叡王戦を救ったのが、大手菓子メーカーの不二家でした。第6期より日本将棋連盟とともに主催に名乗りを上げ、特別協賛として棋戦を支える体制が整ったことで、叡王戦は劇的な復活を遂げます。
不二家の参入により、叡王戦のイメージは「過酷な泥沼」から「将棋界随一の華やかなおやつ祭り」へと180度転換しました。対局中のおやつタイムには、不二家のペコちゃん関連スイーツや厳選されたケーキがずらりと並び、棋士たちが真剣な表情でおやつを選ぶ姿がABEMAの中継などで大きく取り上げられるようになったのです。
ファンからも「不二家さん本当にありがとう」「おやつ中継が楽しすぎる」と絶賛の声が相次ぎ、ネット上の評判は見事にV字回復を果たしました。危機的な状況からスポンサー企業のブランド価値を最大限に生かした棋戦へと生まれ変わったプロセスは、将棋界における最大のサクセスストーリーのひとつと言えます。
藤井聡太の圧倒的成績と近年の激闘|2026年現在の叡王戦の序列と立ち位置
不二家主催となって以降の叡王戦は、将棋界の絶対王者である藤井聡太竜王・名人の目覚ましい活躍とともに黄金期を迎えています。藤井聡太は第6期に叡王を奪取して以降、数々の挑戦者を退けて連覇を重ね、タイトル戦としての権威を不動のものにしました。
2024年の第9期では伊藤匠を相手にフルセットの末にタイトルを譲る劇的なドラマが生まれ、2025年の第10期以降も八大タイトルの中で最もスピーディーかつスリリングな戦いが繰り広げられています。持ち時間が各4時間という設定は、現代将棋のトレンドに合致しており、終盤の秒読みにおける極限の読み合いは見応え抜群です。
現在、ABEMAでの全対局生中継や全国各地の対局場誘致も定着し、叡王戦は八大タイトルの中でもトップクラスの注目度とエンタメ性を誇る棋戦として確立されています。
【叡王戦 ひどい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:第5期叡王戦はなぜ「実質十番勝負」と呼ばれるほど長引いたのですか?
A1:七番勝負の中で「持将棋(引き分け)」が2局、さらに「千日手(指し直し)」が1局発生したためです。将棋のルール上、持将棋は両者0.5勝扱いではなく「無勝負で1局やり直し」となるため、4勝を挙げて決着がつくまでに合計10局分の対局をこなす異例の事態となりました。
Q2:ドワンゴが叡王戦の主催を撤退したのはなぜですか?
A2:公式には事業方針の見直しと発表されていますが、当時の「ニコニコ動画」を取り巻く事業環境の変化や、棋戦運営コストの最適化などが背景にあったとされています。第5期の終了をもって主催を退きましたが、ネット中継の先駆けとして将棋界に多大な貢献を残した側面もあります。
Q3:叡王戦の序列は現在どうなっていますか?
A3:八大タイトルの序列は「竜王戦」「名人戦」を頂点に、契約金の規模等によって順位が変動します。叡王戦は一時序列低下が懸念されましたが、不二家とSBI証券などの強力な協賛体制により安定した格を維持しており、現在は他の主要タイトルと並ぶ極めて重要な棋戦として位置づけられています。
まとめ:過酷な試練を乗り越え、将棋ファンに最も愛されるタイトル戦へ
「叡王戦 ひどい」という検索ワードの正体は、棋戦のクオリティが低いわけではなく、歴史に残る過酷な死闘(持将棋連発)と、消滅寸前まで追い込まれた激動の歴史に対するファンの驚きと困惑の痕跡でした。
一度は存続が危ぶまれた棋戦が、不二家という最高のパートナーを得て見事に再生し、現在では藤井聡太をはじめとするトップ棋士たちの名局と美味しいスイーツでファンを魅了しています。かつての「過酷さ」を乗り越えたからこそ、現在の叡王戦が放つ独自の輝きとドラマは、今後も将棋ファンを熱狂させ続けるはずです。 (出典: 叡 王 戦 ひどい(Yahoo!ニュース))