深夜の放送終了時(クロージング)やオープニング画面、あるいは電波受信の記録などで目にするアルファベットの文字列「JOHH-TV」。見慣れない英字の並びに「これは海外の放送局なのか」「どのチャンネルを指しているのか」と疑問を抱いた方も少なくないはずです。
結論から明かすと、JOHH-TV(現・JOHH-DTV)は宮城県を放送対象地域とするフジテレビ系列の民間放送局「仙台放送(OX)」に総務省から割り当てられた無線局の呼出符号(コールサイン)です。半世紀以上の歴史を持つこの識別記号には、東北の電波史や日本の放送行政における緻密なルールが色濃く反映されています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「JOHH-TV」は宮城県のフジテレビ系列局「仙台放送」のアナログ放送親局コールサイン(デジタルはJOHH-DTV)。
- 要点2:日本のコールサイン規則(JO+英字2文字)に基づき、東北第2の民放テレビ局として1962年の開局時に指定された歴史的符号。
- 要点3:送信所は大年寺山に位置し、現在はリモコンキーID「8」で地域に根ざした報道・情報番組を多角的に展開中。
【正体を解明】JOHH-TVは宮城県のフジテレビ系列「仙台放送」
「JOHH-TV」という識別記号の持ち主は、宮城県仙台市青葉区上杉に本社を置く株式会社仙台放送(Sendai Television Broadcasting Corporation)です。フジテレビをキー局とするFNN(ニュース系列)・FNS(番組供給系列)に加盟しており、地元では略称の「OX」やリモコンキーID「8」として親しまれています。
テレビ局におけるコールサインとは、電波法に基づき世界共通の規則で電波の出所を特定するために割り振られる「電波上の本名」に該当します。普段の番組内では「仙台放送」や「8チャンネル」と呼称されますが、放送開始・終了時や法定の局名告知においては、必ずこの識別信号がアナウンスまたは画面表示される義務があります。
2011年7月(東日本大震災の特例措置が取られた東北3県は2012年3月)のアナログ放送完全停波に伴い、アナログテレビ放送を指す「-TV」から、現在は地上デジタルテレビ放送を意味する「JOHH-DTV」へと正式な呼出符号が移行しました。
なぜ「JOHH」なのか?宮城の放送史とコールサイン割り当ての系譜
日本の放送局に割り当てられる呼出符号は、国際電気通信連合(ITU)の取り決めにより先頭が「JO」で始まることが規定されています。その後に続く2文字のアルファベットは、開局順や地域ブロック、放送局の種別(NHK・民放・ラテ兼営局・単営局)に応じて電波監理当局が順次指定してきました。
宮城県における民間放送の歴史を振り返ると、1959年に東北地方初の民放テレビ局として開局した東北放送(TBC、ラテ兼営)に「JOIR-TV」が割り当てられました。これに続き、1962年10月に宮城県内2番目の民放テレビ単営局として誕生した仙台放送に付与されたのが「JOHH-TV」でした。
全国の民間放送テレビ単営局には「JOH」や「JOF」などの文字列がブロックごとに系統立てて割り振られた経緯があり、東北地区の先陣を切るテレビ単営局として「HH」の組み合わせが選定されたのです。後発の宮城テレビ(JOMM-DTV)や東日本放送(JOOI-DTV)と比較しても、そのアルファベットの配列に草創期ならではの歴史の重みが刻まれています。
【データ徹底比較】大年寺山送信所の親局スペックとチャンネル変遷
仙台放送の電波は、仙台市太白区の大年寺山(だいねんじやま)送信所から宮城県全域および近隣県の一部へ強力に送出されています。アナログ時代から現在に至る親局の技術仕様をまとめました。
| 項目 | 地上デジタル放送(現在) | アナログ放送(停波前) | 技術的特徴・編集部解説 |
|---|---|---|---|
| 呼出符号(コールサイン) | JOHH-DTV | JOHH-TV | デジタル化に伴い「-DTV」へ正式移行 |
| 物理チャンネル / 周波数 | 21ch(521.142857MHz) | 12ch(映像217.25MHz) | アナログ時代の12chからUHF帯へ集約 |
| リモコンキーID | 「8」 | (12チャンネル) | キー局フジテレビ(8ch)と番号を統一 |
| 送信出力(親局) | 3kW(ERP 27kW) | 映像10kW / 音声2.5kW | 省電力ながら高効率なデジタル変調を実現 |
| 親局送信所所在地 | 仙台市太白区茂庭(大年寺山) | 仙台市太白区茂庭(大年寺山) | 仙台市街地を一望する電波塔拠点から送信 |
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の検索やSNSコミュニティでは、「JOHH」に関して幾つかの思い込みや混同が見受けられます。メディア分析の観点から、代表的な3つの誤認を整理します。
誤解①:「略称のOXとコールサインJOHHに関連性がない」
多くの民放局は「TBS(東京放送)」や「KHB(東日本放送)」のようにコールサインや社名の頭文字を略称に用いますが、仙台放送の略称は「OX」です。これは開局前の仮名「東北テレビ」時代に割り当てられる可能性のあった幻のコールサイン「JOOX」に由来するという説や、記号としての視認性の高さを意図して採用された経緯があり、コールサイン「JOHH」とは異なるアプローチでブランド化されました。
誤解②:「海外の短波ラジオ局やアマチュア無線と混同」
英字4文字の組み合わせから海外のコールサインと誤認されるケースがありますが、先頭2文字「JO」は世界無線通信主管庁会議において日本に排他的に割り当てられたプレフィックスです。JOHHで始まる放送局は、世界中どこを探しても仙台放送しか存在しません。
誤解③:「12チャンネルだったからテレビ東京系列だった?」
かつて首都圏でテレビ東京が「12チャンネル」だったため、アナログ時代に12chだった仙台放送をテレビ東京系列と勘違いする声が稀にあります。しかし仙台放送は開局当初から一貫してフジテレビ系列(一部日本テレビ・NET系とのクロスネット期を経て完全移行)を主軸として歩んできました。
【実態検証】地域に根ざす仙台放送の番組制作力とアナウンサー陣の活躍
コールサイン「JOHH」を掲げる仙台放送は、地域密着型のコンテンツ制作において高い評価を維持しています。夕方の報道番組『仙台放送 Live News イット!』では、宮城県内の事件・事故から防災報道、ローカル経済動向までを緻密に取材。東日本大震災を経験した被災地局として、防災・減災報道への取り組みは全国的にも先進的な水準を誇ります。
また、土曜昼の情報バラエティ『あらあらかしこ』は、長年にわたり地元宮城のトレンドやグルメ、エンタメ情報を発信し続け、若年層からファミリー層まで幅広い支持を獲得しています。現場を支えるアナウンサー陣の落ち着いたアナウンス技術と親しみやすいリポート力は、地域住民との強固な信頼関係を築く原動力となっています。
【プロの結論】地方ローカル局の情報発信力と視聴者が持つべき視点
ネット配信プラットフォームやSNSの普及により、東京キー局のコンテンツをどこでもオンデマンドで視聴できる環境が整いました。そうした潮流において、地方局が果たすべき真の価値は「命に関わるローカル災害報道」と「地域経済・文化の掘り起こし」にあります。
「JOHH-DTV」という固有の電波を保持し続ける意義は、いかなる通信障害やインフラ寸断時にも、地元住民へ途切れることなく確固たる事実を届けるライフライン機能にあります。視聴者側も単なる娯楽メディアとしてだけでなく、地域社会を守る情報インフラとして地方局の報道姿勢や発信内容を冷静に見極める視点が求められます。
【johh tv】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:JOHH-TVは現在もテレビで見ることができますか?
A1:アナログ放送としての「JOHH-TV」は終了していますが、地上デジタル放送の「JOHH-DTV」として現在も宮城県内全域で視聴可能です。テレビのリモコンで「8」番を選択することで仙台放送の番組を視聴できます。
Q2:仙台放送のコールサインがJOHXではなくJOHHになった理由は?
A2:日本の放送局コールサイン割り当てにおいて、「JO*X」系統は中京広報圏(東海テレビ:JOFX)や近畿圏(関西テレビ:JODX)など特定エリアの大規模局やNHKに配分された歴史があり、東北地区の民放テレビ単営局の基準として「JOHH」が指定されました。
Q3:オープニングやクロージングでコールサインを確認する方法は?
A3:日々の放送開始時(早朝4時〜5時台)や放送終了時(深夜2時〜4時台)に放送される局名告知映像の画面下部に「呼出符号 JOHH-DTV 仙台放送デジタルテレビジョン」といった形式でテロップ表示およびアナウンスがなされます。
まとめ:JOHH-TVが刻んできた歴史とこれからの仙台放送
「JOHH-TV(JOHH-DTV)」という符号は、単なるアルファベットの羅列ではなく、1962年の開局以来、宮城県の激動の歩みと日々の暮らしを映し出し続けてきた仙台放送の歴史そのものです。
大年寺山の送信塔から送出される電波は、アナログからデジタルへと形態を変えながらも、正確なニュースと豊かな地域カルチャーを届け続けています。深夜のクロージング画面などで「JOHH」の文字を見かけた際は、東北の放送文化を支えてきた半世紀以上の歴史と電波の軌跡に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 (出典: johh tv(Yahoo!ニュース))